野球のストレートには速い、遅いだけではなく様々に表現されます。
伸びがある、キレがる、重い、軽いなどでよく表現されるストレートは全て質を表現しているものです。
しかしこれらのストレートの質も具体的な定義付けがされているものではありません。
このストレートの質とはどのようなものなのかを「野球が上達するためのストレートの質」について考えたいと思います。
1.ストレートの質は見た目の感覚
ピッチャーの投げるストレートの質とは何を持って決めるのか?
伸びがあるない、キレがあるないと言うのは結局バッターや周りから見た感覚の表現ということになります。
例えば150キロを投げたボールを完璧に打ち返されることもあります。
しかし140キロのボールでも振り遅れのような空振りをすることもあります。
これはバッターから見て手元で伸びているように見える、または鋭く切れてくるように見えるという感覚なのです。
2.ストレートの質は球速だけではない
今やメジャーでもエース級の活躍を見せる田中将大投手がいます。
かつて楽天に入団した当初、1年目から1軍で投げて150キロを超すストレートを投げていました。
しかし当時の野村克也監督は田中投手のストレートをあまり高く評価していませんでした。
150キロは出ているけど簡単にバッターに打ち返されているというのです。
この時に野村監督が引き合いに出したのが当時西武(現ロッテ)の涌井投手のストレートでした。
涌井投手のストレートは140キロ台ですが多くのバッターが空振りをするのです。
この田中投手と涌井投手のストレートの違いはまさに質の違いということになります。
涌井投手のストレートは手元で伸びているストレートということなのです。
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手元で伸びるということはタイミングが取りづらいということになります。
田中投手のストレートは速いけども素直にくるのでタイミングが取りやすいということになります。
3.質のいいストレートを投げる
質のいいストレートとは伸びのある、キレのあるストレートと言っていいでしょう。
このようなストレートを投げるには何が必要なのかといえばまず、ボールの回転数が多いストレートを投げるということです。
ただしこれは誰でも投げられるというストレートではなく、ある程度限界があります。
しかし誰もが練習である程度のキレのあるストレートを投げることはできます。
これはバッターから見てリリースポイントを見極めにくくすることでタイミングをズラすことができるのです。
ピッチャーが大きく腕を振って投げるとバッターはピッチャーの手の位置が見やすくなるのでリリースの部分がわかりやすくなります。
この腕を大きく振るテイクバックの部分を極力小さくしてリリースのポイントを見極めにくくすることでバッターはボールの見えたところと手元にくるまでの時間が取りづらくなるのでボールが伸びてくるように見えるのです。
つまりピッチャーはテイクバックを小さくしてリリースポイントをできるだけ体の前の方で離すことで伸びやキレのあるボールに見せることができるということです。
この質の高いストレートを身につけるにはもちろん下半身の強さも必要になりますし、正しいリリースポイントを見つけなければなりません。
質の高いストレートを投げることでピッチャーとしての質も上達できます。
いいピッチャーは質のいいストレートを持つことが不可欠ですので練習を重ねて自分のものにしてほしいと思います。
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